荷物を搬出してくれる業者が決まった。幼なじみのおばさんが事務員をしている小さな何でも屋さんだ。事情を話し、お願いしたら、とても親身になってくれて、人手を手配してくれた。そして、当日、現地までトラックにのせてくれることになった。少しでも時間差があるのが、怖かった。
警察にも行った。事情を全て話したら、歳下であろう婦人警官が、やつの名前、職場、携帯番号まで調書に書くのがとても愉快だった。警察に、モラハラ、だましたこと、借金があることなどを実名で残るのが、たまらなく嬉しかった。私の心は荒んでいた。今もまだ、荒んでいる。
何かがおこらないと動いてくれないのが、警察。現地の警察に私の携帯番号も知らせ、当日、何かがおこり、110番通報すれば、全て分かり、現地に駆けつけてくれるという。
あと数日で荷物搬出という日になり、会社からハードルの高いミッションが出た。
やつが、健康保険証を会社に返送し、私がその健康保険から脱退したことの証明書を、やつから受け取らないと、私の今の会社の健康保険証を作れないというのだ。
やつは、健康保険証を会社に返送し、私がだしたという証明書を持っているのだろうか?
やつは、素直に私に送ってくれるのか。
やつに、ラインした。
「健康保険証から私が脱退した証明書はありますか?新たに保険証を作るのに必要なのであれば、送って下さい。」
2日間、既読はつかなかった。もちろん、荷物搬出のラインにも既読はついていない。