弁護士事務所の事務員さんに、この事務所の近くに産婦人科はないかと尋ねた。

その日、あいている産婦人科ならどこでも良かった。とにかく、生理がこないのと、不正出血の理由が知りたかった。

しかし、あいにく近くにはそれらしいのはなく、そのまま実家に帰宅した。

次の日、朝一番でやつの本籍地に離婚届を出しに行った。

元の職場の先輩が、仕事を休んでくれて付き添いをかってでてくれた。この時、一日も早く仕事をしないと金銭的にキツかった。結婚準備で様々なものを購入し、生活費まで出していた。シンプルに、お金がなかった。

元の職場には、恥ずかしいとか言ってられないので慣れた仕事なので、とにかく復帰したいと、連絡をしていた。そして社長が、次の週から復帰を認めてくれていた。本当にありがたかった。

その付き添ってくれた先輩は、離婚経験者で、その時、他人に助けてもらったことがあるので、その恩返しではなく、恩送りとして、私の手助けをかってでてくれた。ありがたかった。離婚届の提出先に、頭のおかしい脂肪のカタマリが待ち受けているかもしれない危険がある。何をするかわからないやつだった。本当に怖かったので、彼女の付き添いは心強かった。

彼女は、私の住む町に住民票を提出するまで付き合ってくれた。

午後、住民票を提出し、彼女と別れた頃、やつからラインが来た。

「離婚届を提出する日は？健康保険証を返送して。」だった。

私は、郵便局に行き追跡番号のある郵送で健康保険証を送り、やつにラインした。

「離婚届は本日提出しました。健康保険証は郵送しました。」

すぐに既読がついた。

続けて、「荷物搬出は、○月○日午前10時でお願いします。」

これには、いつまでも既読がつかなかった。

私は、大きなミスをしてしまった。

不正出血しているのに、健康保険証をコピーも取らずに怒りに任せて郵送してしまったのだ。