せっかくだからの違和感
今となっては、この時の違和感が一番悔やまれる。
やつは、家電に異常なくらいのこだわりを見せた。
父が費用を工面してくれるとわかると、「せっかくだから」を連発した。
「お義父さんが、買って下さるのなら、せっかくだから、長く使える良いものを買って頂きたい。」
例えば、ドラム式洗濯機は、とことんネットで調べて最新のものの型番を指定してきた。そもそも私はドラム式にこだわりはなかった。毎日洗濯しておひさまの光で乾かせばよかった。
しかし私が、「もう少し安いのは?」などと言おうものなら、「めがねちゃん、わかってる?これは電気代が他のものよりかかるんだよ。」などと、言い始め、絶対に譲らない。こちらが面倒くさくなってくるのだ。
やつの言う通りにしておくのが一番疲れないのだ。仕事中であろうがなかろうが、バンバンラインを送ってきて結局やつの言うものに決まった。
高額なので両親に申し訳ない気持ちを伝えたが、父もすっかりやつの「せっかくだから」にコントロールされてしまっていた。
そして、いつの間にか私がどうしてもドラム式洗濯機が欲しいと言っているようになってしまっていた。
「え?」この時に感じた違和感を両親に伝えたが、コントロールされてしまっている父親は、「やつか、めがねちゃんのどちらが欲しいと言っているなんて些細なことだよ。」と、言った。
そして、家電類は全て最新のものを両親が購入してくれた。
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