成婚退会の日
いよいよ、成婚退会の日が来た。
仲人Bさんからは、大安を指定され、その日に休みをとり二人で結婚相談所へ行った。
多額の退会料金は現金で手渡しが決まりになっていた。仲人Bさんは、終始ご機嫌だった。
多額だもの。
「良いご縁があり、結ばれましたね!」とか、「お互いにどこが良かったの?」などありきたりだが、ああ結婚するんだなと実感する話や、質問だった。
プロポーズの場所や言葉など全てメモに残し、二人で写真を撮られた。
やつは、現金を用意してきた。すごく大事そうに現金入りのバッグを抱えていた。
やつは、父が話したお金に汚い人間ではなく、社会の決まりを守る人間で、父の提示していた結婚相手としての最終関門を通過したのだ。
成婚退会をし、仲人Bさんに「お幸せに!ご家族が増えたら、お知らせ下さいねー!」と、笑顔で見送られた。
この日、今までやつを推しまくっていた仲人Aさんが退職したことを聞かされた。理由は、わからなかった。しかし、あんなにやつを推していたから、まさか退職するなんて思いもよらなかった。Aさんが何年仲人をしているのかを聴いたこともなく、おしゃべり上手だからといって勝手にベテラン仲人さんと思い込んでいたのかもしれない。
なんだか少し裏切られたような気持ちだった。
その足で、私の両親に挨拶をして、入籍の日が決まった。
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