成婚退会の掟破り
私がやつと出会った結婚相談所には、最終の掟があった。
結婚を決め成婚退会する際に、それぞれが結婚相談所に成婚料として◎万円支払うのです。月額がリーズナブルな分、かなりの額です。二人分ですから。ちなみに婿養子になれば、女性側が全額払うことになっています。
なかにはひどいというか、ずる賢い人がいて、別れたことにして支払わない方々もいるのです。一応、地の果てまで追いかけるような文言はありますが、、。実際にはわかりません。
父が、「最終関門だな。」と、言いました。
やつには黙っておいて「出方次第で最終別れることになる」と。
つまり、「契約の初めに支払うことを約束したことを逃げるやつは、この先信用できない。その金も出せないやつは、本当に金に汚いやつだ。」ということです。
やつは成婚退会までに、交際報告、結婚申込みなど両親にもそつなく挨拶できた。
そして、足繁く我が家に通うようになり、夕食を一緒にとることが多くなった。
両親との食事の際は、普通の量を普通の速度でニコニコと食べた。帰り際には、「美味しいご飯をありがとうございます!お義母さん!具だくさんのお味噌汁、本当に美味しかったです!」と、ハキハキと話した。そしてどんどん打ち解けていった感じだった。
また、父親とは、父親の全国の城を巡るという趣味の話に対し、やつは上手く合わせ、本当に上手く合わせて「お義父さん!今度ご一緒いたしましょう!」などと言い、父親とは連絡をコツコツこなし、「僕にとっては、お義父さんではなく、本当のお父さんです!」などと、父親に長々とメールを送ってきたりしていた。
しかし、帰り際、私が車のところまで送っていった時、「素麺なら、10把は食べれるな。」とか、「ご飯は、3合たべるよ。」とか、「結婚して僕が豹変したらどうする?」などと話した。私が「はぁ?すぐに離婚します。」と、言うと「めがねちゃん、冗談だよ〜。もおー。冷たいなぁ~。」と、甘えるようなセリフが顔に全く合ってないのに、勘違いおじさんは、嬉しそうに大きな引き笑いをしていた。
いよいよ成婚退会の日が来た。
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