結婚相談所⑧
仲人さんからは、正式に交際に進むため、両家に交際していることを報告しに行くというミッションが出た。
手土産や、服装など細かな好印象につながるアドバイスを受ける。
結婚して家族になるという正しい進め方を短期間で一つ一つこなしていく。
条件の合う結婚願望のある男女が、結婚するために結婚相談所に入会し、結婚するのだから、そこは、淡々とサクサクとこなしていく。
愛情は、あとから育むのだ。今は、とにかく結婚するための行事をこなしながら、私は結婚するのだ。私は結婚したいのだ。
やつの家族は、地方在住の妹夫婦とその子供達。妹夫婦の住む町のレストランを妹が予約してくれた。
妹夫婦は、本当の兄妹?と、疑うくらいスラリスリムな今どきのカップルだった。
子供達は、挨拶ができ、キチンと育てているのがわかる普通に可愛らしい雰囲気だった。
なんとなくこの時、食事中も、やつがかわいそうに感じた。妹から常にディスられている感じ。
何をしてもダメだった兄という感じ。
私と結婚したら、こんなこと言わせないようにキチンとしなきゃと、思った。かばいたくなった。
妹は、帰り際に私に近づき小声でこう言った。
「あんな人、どこが良かったの?」
ああ、この時、踏み止まれば、こんな時こそ仲人さんに相談しておけば良かった。
しかし、うちの両親への挨拶の日も決まっていたのであとには戻れなかった。
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